中耳炎は通常、上気道炎が先行しておこり、耳管を介して炎症が起こります。幼少時はまだまだ免疫機能が未熟で感冒にかかりやすい時期です。
さらに副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などの鼻の病気があると、耳管周囲の粘膜も炎症を起こし、中耳炎のリスクファクターとなります。
アレルギー性鼻炎によって粘膜が腫れ鼻水が多い状態で風邪を引くと、粘膜がさらにむくんで鼻の通りが悪くなり、耳管周囲の粘膜も炎症を起こしやすくなること、また鼻水がとどまり副鼻腔炎を併発しやすくなります。鼻水が膿性になり感染が持続している状態になりますので、これらの鼻炎をしっかり治療しないと、中耳炎がなかなか治らず、一旦治ってもすぐに再燃する可能性があります。
近年では以前に比べて幼少児のアレルギー性鼻炎が増えてきており、症状も重症化してきています。
アレルギー性鼻炎の治療は基本的には薬による治療で、抗ヒスタミン剤や抗ロイコトリエン剤、点鼻薬、ネブライザーといった治療を中耳炎の治療と同時に行い、中耳の炎症が治まった後もしばらくはアレルギーの薬を続けることが望ましいと思います。
さらに副鼻腔炎を併発している場合は、中耳炎の治療が落ち着いた後もマクロライドという種類の抗生剤や、消炎酵素剤、気道粘液調整剤などをしばらく続けます。
副鼻腔炎はアレルギー性鼻炎と違い感染、炎症を起こしているので、ばい菌を含んだ膿性の鼻水を鼻処置でしっかりとることが大切です。