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~いろいろな中耳炎 様々な疾患~
癒着性中耳炎

 

滲出性中耳炎のところで、癒着性中耳炎に移行しそうな時はチュービングを検討すると説明しましたが、その癒着性中耳炎について説明します。
滲出性中耳炎が長引くと、中耳の空間は常にマイナスの圧力がかかる状態になり、鼓膜が耳の奥に引っ張られる力が働き続けます。その鼓膜が中耳の奥の壁にひっついてしまう状態になると、癒着性中耳炎と呼ばれる状態になります。中耳にある耳小骨や鼓膜は音を増幅して内耳に伝える働きがありますが、癒着した状態になると、音の振動を増幅して内耳に伝えることができず伝音難聴というタイプの難聴が生じます。

原因)
主に滲出性中耳炎が原因で中耳に慢性的に陰圧がかかり、鼓膜が中耳に落ち込んで中耳の奥の壁に癒着していしまうことが原因です。

治療)
癒着の程度や期間によって治療方針が異なります。
滲出性中耳炎の経過中に癒着が見られ始めた場合は、鼓膜切開をして内部の液体を吸引し、鼓膜チューブを留置することによって、鼓膜を正常の位置に戻す、あるいはこれ以上悪化しないようにする必要があります。
同時に中耳の陰圧をできるだけ解除するように定期的に耳管通気療法を行います。
癒着が長期間に及ぶと通気や鼓膜チューブ留置では鼓膜が戻らない状態となり、また耳小骨の可動性がなくなったり破壊されたりするので、全身麻酔で鼓膜を剥離、挙上させて耳小骨の再建を行う、鼓室形成術という手術が必要です。
さらに長期におよぶと鼓膜の癒着や耳小骨の可動性の低下だけでなく、内耳にも炎症が波及して感音難聴という神経のダメージを伴う難聴も出てきます。こうなってしまうと聴力の改善は困難となります。

ご注意頂きたいこと)
滲出性中耳炎から移行していくことが多いので、滲出性中耳炎の経過をしっかり観察することが大切です。
滲出性中耳炎自体は自然治癒することも多く、癒着性中耳炎に移行するケースは非常に少ないですが、癒着を起こしてしまい放置すると治癒が難しくなることもあるので、滲出性中耳炎と診断されたら、症状があまりなくても放置せずに定期的に鼓膜を観察していくことが大切です。