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くり返す急性中耳炎~いわゆる反復性中耳炎について~

 

急性中耳炎になると鼓膜の炎症、発赤、中耳の膿の貯留が見られます。
治っていく過程での鼓膜の見え方が変化していきます。
まず炎症、発赤の赤みが取れていきます。同時に中耳にたまった乳白色の膿がだんだん透明になっていき透明な液体が残ります。最後にその液体が抜けて、治癒となります
簡単に治るお子さんは、3~4回の通院、2~3週間ぐらいで治ります。“治る”というのは、炎症がおさまり、中耳の水も完全に抜けた状態のことを指します。
ですので、簡単になおるといっても、炎症が治まり、中耳の水が抜けるまで2~3週間はかかることが多いです。


中耳炎を何度も繰り返したお子さんでは、中耳に溜まった液体がなかなか抜けきらず、抜けきらないうちに新たに別の中耳炎になることもよくあります。逆にその液体の抜けていく早さで、そのお子さんの中耳炎の治りやすさ、治りにくさを推測することができます。

何度も繰り返す、なかなか治らない難治性の中耳炎が増えてきていることは申し上げましたが、治りにくいパターンは下記のように分けられます。
① 中耳炎になっても2,3週間で鼓膜所見が正常に治るが、すぐにまた中耳炎が“再発”する。
② 治療をしたら良くなってきたが、鼓膜の発赤が完全に消えない、あるいは中耳の水が抜けない状態が
数か月間続き、その間に鼓膜が何度も腫れてきて、中耳炎が“再燃”する。
③ 中耳炎の治療を行っても鼓膜の腫れが改善せず、最初に見た鼓膜所見と同じか悪くなっている
④ 耳の痛み、発熱などの症状がないのに、鼓膜が腫れている状態が続く(3週間以上)


①と②はいわゆる反復性中耳炎と呼ばれ「6か月以内に3回以上、12か月以内に4回以上の急性中耳炎に罹患とされています。③は難治性中耳炎、④は遷延性中耳炎と呼ばれています。
いずれもなかなかすっきりと治らず、ご両親だけでなく、正直なところ、治療する医師も頭を悩ませます。

反復性中耳炎などの“治りにくい中耳炎”にかかりやすい危険な原因として以下の理由が挙げられます。

【中耳炎の危険因子】

中耳炎の危険因子は下記のようなものが挙げられます。

① 2歳未満の低年齢

2歳未満は、反復性中耳炎のリスクファクターの一つとされています。6か月までは胎盤から移行した抗体が維持されつと言われますが、それ以降、乳幼児は、免疫機能が未発達で、中耳炎に限らず上気道炎など病気になりやすい年齢です。頻繁に風邪を引き、また発熱を繰り返し、不機嫌、夜泣きなどで、お子さんだけでなく、お母さんとっても体力的にも精神的にもしんどい時期だと思います。
いつまで続くのだろうか?この子は体が弱いのではないか?と心配されると思います。
ですが、2歳をこえたあたりから少しずつ体も強くなってきて、中耳炎になってもこじれて長引くケースは少なくなってきます。ですので、ずっと続くわけではないことをご理解ください!!
この時期はお子さんの将来丈夫で元気に育っていくために頑張っていただかなければならない時期ととらえています。
3歳以降になってくると、大半のお子さんは他の風邪と同じように、急性中耳炎が長引くことは少なくなります。
ただし②のように滲出性中耳炎のような水がたまっている状態が続いている場合は、長引くことがありますので、三歳になるまでに頻繁に中耳炎になったお子さんは、お近くの耳鼻科で鼓膜の状態を時々見てもらってください。 さらにそんな水がたまっている状態も小学生に入る時期になるとよくなっていくというのが、多くみられるパターンです。
つまり、急性中耳炎を同じように治療しても、年齢によって長引きやすい時期や治りやすい時期というのがあるということです。


② 保育園などの集団保育

保育園に行き始めたとたんに風邪をもらってくることが多くなりますので中耳炎の頻度も上がります。保育園に行き始めて、特に最初の1年ぐらいは頻繁に風邪をもらってきますし、お子さんを通じて、お父さんお母さんまでも体調を崩す、ということがよくあります。
難治なものは、2歳以下で集団保育に通っているお子さんに多い傾向です。
1年ぐらいすると体に免疫ができてきて少しずつ強くなってきます。時間とともに軽快してくることが多いので、それまでは粘り強く治療を続けていきます。それぞれのご家庭のご事情もありますので、なかなか保育園を休むのも難しいことも多くあると思います。粘り強く治療を継続していただくようお願いするわけですが、あまりに治りが悪い、あるいは重症化するようなら、保育園を休んでいただくようお願いする場合もあります。
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