お子さんの中耳炎が心配!!中耳炎専門サイト

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③ 兄弟がいる

兄弟がいると、その兄弟が風邪を引き、その風邪をもらって頻繁に中耳炎を繰り返したり、長引くことがあります。これは、集団保育のところで説明したことと同じ理由です。

④ 母乳哺育の有無

 母乳哺育のメリットの一つに、母乳に感染を抑える成分が入っておりそれにより感染症のリスクを減らすことができ、逆に母乳哺育の欠如で、難治性中耳炎のリスクになると言われています。
これは他の病気も共通していえることで、中耳炎以外にも上気道感染や消化器観戦のリスクを減らします。
理由はお母さんを通じて母乳から免疫グロブリン、白血球、インターフェロン、ラクトフェリンなどの物質が赤ちゃんに入るためと言われています。
母乳哺育がされていない乳児や、乳離れしたとたんに、中耳炎を繰り返すことがよく見られます。

⑤ おしゃぶりの使用

 おしゃぶりを使うことで、喉や鼻の空間にマイナスの圧がかかり、耳と鼻をつなぐ耳管の通りが悪くなることが原因とされています。おしゃぶり自体は鼻呼吸を促進する良い面もありますし、おしゃぶり使用も控えても、指をずっとくわえてしまう場合もあります。しかし中耳炎を繰り返すお子さんは少しずつ、使用を控えていただくようお話しています。

⑥ 受動喫煙

ご家庭でタバコを吸われて、お子さんが吸い込むことによって、鼻やのどの粘膜が炎症をおこし、中耳炎になりやすいと言われています。お子さんの前で喫煙は止めてください。

⑦ 抗生剤の効かない多剤耐性菌の出現

 近年、抗生剤の効かない多剤耐性菌の出現が問題となっており、難治性の中耳炎が増加している一因となっています。耐性菌が増えたのは、抗生剤の乱用が原因と言われています。
中耳炎の原因菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスが三大起炎菌ですが、特に肺炎球菌とインフルエンザ菌の耐性菌が問題になっています。
中耳炎の菌の検査では、肺炎球菌でアンピシリンという抗生剤が効かない菌(PISP、PRSPという株)が65%、またインフルエンザ菌でアンピシリンに効かない菌(BLNARという株)は70%に及んでいます。
これら耐性菌は、特に前述した、低年齢、集団保育(保育園)、あるいは兄弟がいる、などのお子さんに多く検出されます。
これらの菌に対して全く薬が効かないのか?というと、そうではありません。効く薬はまだまだ残されています。ただ、このような耐性菌が多く出現しているのは、冒頭に述べましたように不用意な抗生剤の乱用にあると考えられています。
ですので、医療従事者側は、中耳炎にかかっている患者さんの背景を十分理解すること、不要な抗生剤の使用は止めること、適切な薬剤投与を心掛け、段階を踏んで使用することが必要です。

 

以上、様々な説明をしましたが、お母さんにとって心配なことは要するに
本当に治るのか?このままずっと中耳炎を繰り返し、大きくなっても中耳炎を繰りかえすのか?
難聴にならないのか?聞こえなくなったらどうしよう?

「後遺症が残るのではないか?」という心配が大きいかと思います。

中耳炎は乳幼児期に繰りかす場合でも、ある程度大きくなると中耳炎の頻度が減ってきます。
また中耳炎を繰りかえすと、鼓膜が肥厚して石灰化など表面がかたくなったり、あるいは鼓膜に穴が開いたまま残存するなどの可能性はありますが、不思議なことに難聴が残ることは極めてまれです。